小ロットでの低単価調達を実現
今や、製造業においては中国での調達・生産を抜きにして競合他社との競争を行うことは困難な時代になりました。中小企業を含む多くの企業が中国に進出したり中国での部品・商品の調達を行うようになりましたが、品質・信用・ロット数など多くの面で中国での調達に二の足を踏んでおり、又、一旦は中国に進出したものの撤退を余儀なくされているケースも少なくありません。
中国での生産・調達を検討する際には、低単価調達のメリットを少ロット発注で実現することが重要なポイントになります。安価に少ロット発注を行う際に是非検討すべきことは、既に中国に進出しているメーカーを上手に利用することです。何故なら、中国に進出しているメーカーを利用することで、次の3つの間接費用を軽減することができるからです。
ロットの少なさが生む間接経費の増大という課題
中国での生産・調達を行う際に注意深く検討しなければならないことのひとつにロットの問題があります。いくら中国での調達単価が安くても、ロットが少ないと物流コスト・検査コスト・交渉コスト等の理由から間接費用が割高になり、結果として調達単価を押し上げてしまいます。
物流コスト
中国から商品・部品を仕入れるためには通常、コンテナ船を使用して輸送する必要があります。コンテナ費用はコンテナ単位で費用が算出されるため、商品を1個輸入しても100個輸入しても固定費は変わりません。従って、1個輸入する際の輸送単価は100個輸入する場合の100倍に相当します。
検査コスト
中国で生産・調達する商品・部品の品質検査を行うために、多くの企業では日本から人員を派遣して現地検査を行う手法を採用しています。ここでも商品のロット数が少なければ派遣費用の単価割が高くついてしまうことになります。又、もし充分な検査を行わない場合には、不良品を多量に輸入してしまうことになり、日本での検査費用が嵩む他、不良品の輸送コスト・在庫コスト・廃棄コストが商品単価に跳ね返ってくることになります。更に悪いケースでは、不良品を市場に流したことで企業の信用を失うことも考えられます。
交渉コスト
中国では日本以上に多ロットの顧客を優先する傾向にあります。特に一見の顧客や取引数の少ない顧客が中国企業から調達を図る場合には、単価も思ったほどには下がらないばかりか、納期や品質の面でも協力的でなくなり、契約成立後に予想外のコストが発生することも多々あります。
しかしながら多ロットで商品を調達すれば問題が解決するかと言えば、そうでもありません。市場の動向を見ながら適切に発注・在庫の管理を行わないと、日本で在庫の山を抱えることにもなりかねません。日本の高い倉庫費用で在庫を抱えることは費用を増大させるばかりか、企業の資金繰りを圧迫させることになりかねません。又、多ロットで中国企業に発注することには信用上の問題もあります。すなわち、対外取引では発注時に保証金(デポジット)を要求されるのが通常ですが、デポジットを支払ったにも関わらず納品がされないリスクも負わなければなりません。従って、必要な時に必要なロットだけ少ロットで発注・調達することが重要なのは、中国での調達でもかわりません。
中国に進出しているメーカーを上手に利用
中国での商品・部品の生産・調達を検討する際には、既に進出している企業のインフラを上手に利用することが鍵となります。これらのインフラを自社で一から立ち上げようとすれば時間も費用も莫大にかかることが想定されます。スピードが重視される現在の経営環境にあっては、全てを自社で揃えるのではなく、既に揃っているインフラを上手に利用することが求められます。
物流コストの軽減
中国に進出している日本メーカーは、自社の商品・部品を日本に輸入するための船便を既に用意しているのが通常です。その船便の一部に混載させることで、少ロットでも物流コストを低減させることが可能になります。
検査コストの軽減
中国で生産・調達している日本メーカーは、既に自前の生産・検査ラインを保有しています。日本の厳しい要求にも耐えられる品質を中国で実現しているため、日本から人員を派遣する必要がありません。
交渉コストの軽減
日本メーカーが調達している現地協力企業からそのメーカーを通じて調達を行うことで、交渉力を向上させることができます。現地協力工場にとってそのメーカーは既にお得意様の状況です。単価交渉のみならず、納期や品質・信用についても一見の取引先より優遇されることは間違いありません。